小森優美
YUMI KOMORI
社会起業家/エシカルファッションデザイナー
株式会社HighLogic代表取締役
一般社団法人TSUNAGU代表理事
草木染めシルクランジェリーブランド"Liv:ra(リブラ)”のデザイナーとして自身の自己表現を探求すると同時に、一般社団法人TSUNAGUでは「心の変容から起こる社会変革」をコンセプトに個人の心の変容から起こっていく本質的な社会変革を目指す実践的なラボを運営中。
幸せな感覚から生まれる直感的なインスピレーションに従って、プロダクトデザイン、システムデザイン、講義・講演など、エシカルファッションを軸に多分野で活動する。
【ごあいさつ】
初めまして、小森優美と申します。
私は上記にも記載した通り、専門学校を卒業してからすぐはファストファッションの業界にいました。大量に生産し、驚くほどの量の在庫を破棄する業界の在り方にはじめは疑問を持ちながらも、一新人デザイナーに出来ることは何もなく、まぁ、こんなものなのかな、と思いながら過ごしていました。そして業界の内側にいるとそれが当たり前になり、だんだん疑問も持たなくなっていったのです。
2010年に独立した時も、私はファストファッションの仕事をしていました。
変化のきっかけになったのは、2011年3月、東日本大震災の時です。
震災が起きてから、私は利便性やコストの追求ではなく地球や人を大切にする生き方に関心を持つようになりました。そしてそれまであまり疑問を持たずにいた、"目の前の物がどのようにして作られるのか"という問いに、もう自分を誤魔化すことは出来なくなってしまったのです。
これからは自分が本当に良いと思う物だけを作っていきたい。ファッションは自己満足であるからこそ、人や地球を傷つけるかたちではなく、それらと共存し、循環していく方法を見つけたい。そんな思いで2013年、Liv:raを立ち上げました。
共存し、循環していく方法は古くから日本で大切にされてきた伝統技術"草木染め"というかたちで残されていました。草木染めは工業廃水をはじめとする環境汚染を解決し、同時に私たち自身の体も守るというとても大きな可能性に満ちた技術です。
現在Liv:raは、その素晴らしい伝統草木染めを現代のファッションカルチャーと融合し、次世代に伝えていくことを使命としています。
地球の壮大な歴史の中で先祖の人々が残してきたものに想いを馳せると、自然や人と調和した作品が多く見受けられます。
豊かで本質的な心で作られたものが、きっと多かったのでしょう。
しかしながら、現代に生きる私たちはいつの間にかその心を忘れてしまい、
経済合理性や利便性の追求に重きを置いてしまっているのではないでしょうか。
合理性や利便性自体が悪いわけではありません。ですが、それらは
本質的な心があってこそ活きるものであることを、
私たちは過去の伝統に触れながら、
"思い出す"必要性があるのではないかと思います。
本質を思い出し、そして、時代に合ったイノベーションをデザインする。
それがクリエイティブのあるべき姿だと信じています。
過去の伝統と現代の技術を融合させることで生まれる
新しいクリエイティブの世界を、
Liv:raを通して感じていただければ、大変嬉しく思います。
株式会社HighLogic代表取締役 Liv:raデザイナー
小森優美